初めて見た人は、まずあの色に驚きます。抹茶ともピスタチオとも違う、鮮やかな若草色。枝豆をすり潰して砂糖と合わせた餡「ずんだ」は、仙台が誇る伝統の味であり、いま一番進化しているご当地スイーツでもあります。
「ずんだ」の名前、実は由来がはっきりしない
ずんだの語源として有力なのは、豆を打って潰す「豆打(ずだ)」がなまったという説。一方で、伊達政宗公が陣中で太刀の柄で豆を潰して食べた「陣太刀(じんだち)」に由来するという勇ましい説や、甚太という農民が考案したという説もあって、実のところ決定打はありません。個人的には、この「よくわからなさ」も含めて郷土の味らしくて好きです。確かなのは、枝豆の旬にあわせて夏のお盆に餅と食べる習慣として、宮城の家庭に古くから根付いてきたということ。
王道を知るなら、まず「づんだ餅」の老舗へ
仙台でずんだ餅の名店として真っ先に名前が挙がるのが「村上屋餅店」。伊達家御用菓子司の流れをくむ老舗で、明治10年(1877年)から餅屋として続いています。ここでは「ずんだ」ではなく「づんだ」の表記。つきたての餅に、枝豆の薄皮を丁寧に取り除いた、なめらかで香り高い餡がたっぷりかかっています。ひと口食べると、枝豆の青い香りがふわっと抜けて、甘さは意外なほど上品。行列ができることも多いですが、並ぶ価値は十分あります。
革命児「ずんだシェイク」。駅ナカの行列には理由がある
そんな伝統の味を一気に若い世代へ広げたのが、菓匠三全の「ずんだ茶寮」が手がけるずんだシェイクです。ミルクの中にずんだの粒感と枝豆の風味がしっかり生きていて、飲むというより「飲めるずんだ餅」。仙台駅3階には、ずんだ専門店を集めた「ずんだ小径」というコーナーがあり、2015年の開設以来、新幹線に乗る前の一杯が定番になりました。夏の暑い日、ホームに向かう前にこれを一気飲みするのが、正直いちばん美味しい飲み方だと思っています。
パフェ、大福、どら焼き。進化は止まらない
最近のずんだは自由です。市内のカフェや和菓子店では、ずんだパフェ、ずんだクリーム大福、ずんだどら焼き、ずんだロールケーキと、新作が次々に登場しています。枝豆の風味は乳製品と相性が良いようで、クリームやアイスと合わせたものはどれもハズレが少ない印象。お土産の定番「萩の月」の菓匠三全がずんだ菓子を多数展開しているので、駅のお土産売り場を巡るだけでも最新のずんだ事情がだいたい把握できますよ。
基本情報
- ずんだとは
- すり潰した枝豆に砂糖などを合わせた宮城の伝統的な餡。「豆打(ずだ)」が語源とされる
- 老舗の味
- 村上屋餅店(青葉区北目町)の「づんだ餅」が有名
- 駅ナカ
- JR仙台駅3階「ずんだ小径」にずんだ茶寮など専門店が集結(2015年開設)
- おすすめ時期
- 通年楽しめるが、枝豆の旬の夏は特に◎